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子宮腺筋症

子宮腺筋症

子宮腺筋症とは本来子宮内腔にだけあるべき子宮内膜組織が、子宮筋層(子宮の壁に相当する部分です)内で発育する病気です。
子宮内膜組織が子宮以外(子宮の周囲の骨盤内など)で発育するものは、子宮内膜症と呼ばれ、子宮腺筋症とは区別されますが、しばしば同時におこります。また、子宮筋腫とも合併しやすいことが知られています。
子宮腺筋症では、子宮筋層内にある子宮内膜組織が月経周期に応じて出血をおこすために、その部分に出血に対する反応が起こり、子宮壁は次第に硬く大きくなります。
子宮筋腫が筋腫の部分と正常の筋層の部分がはっきり区別できるのに対し、子宮腺筋症では子宮筋層内にばらまかれたように病変がみられるのが特徴です。

症状

典型的な場合は強い月経痛が月経の始まる前から始まり、月経の終了とともに消失します。しかし、病変が進むと次第に月経以外の時期にも痛みが持続するようになります。また、子宮全体が大きくなるので子宮内腔も拡張し、過多月経を伴うことがあり、不妊症の原因になることがあります。一方で、全く自覚症状がないこともあります。

検査・診断

内診や超音波検査、MRIなどの画像診断や腫瘍マーカーの一種であるCA125の値などから診断します。確定診断は切除した検体の病理組織診断によりますが、病理組織診断以外で、診断上で最も有力なのはMRIです。

治療

症状がない場合や軽度の場合は治療の必要はありません。
【対症療法】
月経困難症や下腹痛に対し鎮痛剤を服用したり、過多月経による貧血に対し鉄剤を服用します。
【薬物療法】
月経を止めて一時的な症状改善を図る方法として、ある特定のホルモン剤が使われることがあります。また、ピルを服用すると月経困難症や過多月経が改善することがあります。
【手術療法】
子宮腺筋症の病変部分だけを切除するのは、病巣が子宮筋層内にばらまかれたような状態で存在するために、多くの場合不可能です。子宮腺筋症を完全に治すには、子宮全体を摘出する方法しかありません。
●妊娠との関連
妊娠すると子宮腺筋症はある程度軽快するといわれています。妊娠を希望されている方は早めに妊娠されることをお勧めします。
●閉経との関連
閉経すると月経がなくなりますから子宮は小さくなり、子宮腺筋症はやがて治癒します。