体外受精・顕微授精
体外受精(IVF)とは?
排卵直前の成熟した卵子を採取し、体外で精子と受精させ、得られた受精卵(胚)を数日培養し子宮内へ戻す治療方法です。
以下の場合、適応となります。
- 卵管因子
- 排卵障害
- 重度の子宮内膜症
- 男性不妊
- 免疫性不妊
- 原因不明不妊
- その他
2013年の統計ではART(生殖補助医療)での出生児は42,000人を超えています(全出生児数の約4.1%)。
顕微授精(ICSI)とは?
顕微鏡下で1匹の精子を直接卵子に挿入して受精させ、得られた受精卵(胚)を数日培養して子宮内へ戻す治療方法です。
- 重度の男性因子
- 原因不明の受精障害
- その他
胚(受精卵)の分割の様子
胚(受精卵)のグレード分類
当院では初期胚はVeekの分類、胚盤胞はGardnerの分類を用いて胚のグレードの評価をしています。
胚盤胞のグレード分類
胚凍結について
胚凍結とは?
複数個の受精卵が得られた場合でも、1回の移植で子宮に戻すことのできる胚(受精卵)は1個または2個です。
そこで、余った胚(受精卵)を凍結保存することにより、今回妊娠に至らなかった場合でも次回は採卵をせずに凍結した胚(受精卵)を使って治療することができます。
また、卵巣過剰刺激症候群を回避するために、一旦すべての胚(受精卵)を凍結することもあります。
孵化補助療法(AHA:アシステッドハッチング)
胚盤胞まで発育した受精卵が、着床する時に卵の殻である透明帯を破って外に出ることを孵化(ふか)といいます。この孵化がうまくできないと着床できません。
そこで透明帯の一部を、菲薄化もしくは一部開口し、殻から出やすくなるようにしてあげる治療技術をAHAといいます。
当院におけるAHAの適応
- 透明帯が厚い場合
- 凍結融解移植を行う場合
- 高年齢の方
- 反復不成功例