京都の産婦人科(無痛分娩)・不妊治療は身原病院

身原病院

臍帯下垂(さいたいかすい)・臍帯脱出(さいたいだっしゅつ)

臍帯(さいたい)は、いわゆる「へその緒」と呼ばれています。へその緒は、胎盤と胎児をつないでいる管で中には3本の血管があります。胎児が胎盤を通じて母体から栄養や酸素をもらい、老廃物を排出している大切な命綱です。
 
破水前に臍帯が胎児より先に下がってきて卵膜を通じて臍帯に触れるものを「臍帯下垂(さいたいかすい)」といいます。
臍帯下垂(さいたいかすい)が破水した時に、臍帯が膣内あるいは膣の外まで出て直接臍帯が触れるものを「臍帯脱出」といいます。

胎児が十分に下降していない段階で破水が起きると、羊水が流れ出る勢いで臍帯が胎児より先に出てきてしまうことがあります。臍帯脱出を起きると命綱である臍帯が完全に圧迫され、酸素供給ができず胎児が致命的な状態になりかねません。胎児を救命するために帝王切開で娩出することもあります。
 
▼臍帯下垂・臍帯脱出の原因
 ・頭位により子宮下部の閉鎖が不完全で隙間がある。
 ・横位、骨盤位、反屈位、児頭骨盤不均衡、多胎、羊水過多症、過長臍帯など。
 
▼臍帯下垂・臍帯脱出の診断
 ・妊婦さんの多くは無症状でわかりにくく、産婦人科医師の内診により判明することが多い。
 ・超音波カラードプラ、経腟超音波検査で臍帯雑音が聴取される。胎児心拍数異常がみられる。
 
▼臍帯下垂・臍帯脱出の処置
 ・妊婦さんが、胸膝位やトレンデレンブルグ体位などをとり自然整復をこころみる。
 ・胎児救命のため急速遂娩を行う。
 

この記事を監修した人
濱崎温美(ATSUMI HAMAZAKI)

産婦人科専門医で医療法人倖生会身原病院 医師
専門医:公益社団法人 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医、母体保護法指定医師、麻薬施用者、日本産科婦人科遺伝診療学会認定