退院後の赤ちゃん(新生児)について
これから子育てされるママ・パパへ
~新生児について知ってほしいこと~
新生児の間は何かと気になることやご不安なことも多いと思います。当院では、出産後に安心して子育てしていただけるように、入院中から助産師による退院後の生活相談や育児に関する指導・助言も行っております。ただし、やはり退院されたあとに気になることが出てきたり、不安になられる方も多くいらっしゃいますので、退院後のフォローアップとして2週間・1ヶ月健診なども実施しています。こちらのページでは健診や外来でご相談の多い内容についてご紹介していますので、ご出産される前や後にお読みいただき、少しでも参考にしていただければと思います。
新生児に関してよくあるご相談
症状別の対処法 ~こんなとき、どうしたら良い?~
よくある症状について
泣き止まない、熱がある
- 1.泣き止まない
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- おなかがすいていないかな?時間より早くても、授乳してみましょう
- おむつがぬれていないかな?おむつをかえましょう
- 肌が汗ばんでいないかな?着替えさせましょう
- 部屋が暑い、または寒くないかな?室温・湿度をチェックしてみましょう
生後しばらくすると、眠い時や甘えたい時も泣きます。そのようなときは、抱っこしたり、あやしてあげましょう。
どうしても泣き止まないときは、裸にして、あせもやかぶれ、虫刺されなどないか、全身を確認しましょう。 - 2.熱がある(37.5℃以上の熱)
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まず以下のことを確認しましょう
- 機嫌・お乳の飲み具合はどうか?
- 衣服・布団はどうか?
- 室温・湿度はどうか?
- おしっこは出ているか?
1~4を確認したら、水分補給(授乳)をして、1~2時間後に、再び体温を測ります熱が下がらなければ、受診しましょう
身体について
- 1.肌や目が黄色っぽい、黄疸が気になる
- 黄疸は生後2ヶ月くらいまで続くときもあります。おっぱいを良く飲んで機嫌が良ければ問題ないでしょう。ただし、お乳の飲みが悪い、ぐったりしている、うんちが白っぽいなどがあれば、小児科を受診してください。
- 2.頭のコブ(頭血腫)
- 自然に吸収されるので、様子をみましょう
- 3.目ヤニが気になる
- 朝からまぶたが開かないほどの目ヤニであれば、小児科または眼科を受診したほうが良いでしょう
- 4.あざがある
- 血管腫であれば、一時的に血流がよくなるので赤くなって目立つことがありますが、次第に目立たなくなるのでそのまま様子を見てよいでしょう。月単位での経過観察が必要です。
- 5.顔にブツブツや湿疹ができた
- 湿疹が出ているところも石鹸で良く洗い、保湿剤を塗りましょう。それでもひどくなるようであれば、小児科または皮膚科を受診してください。
- 6.お尻が赤い、おむつかぶれ
- こまめにおむつを替えたり、お尻が汚れたら洗い流したりしましょう。洗い流した後は、水分を取り、保湿剤を縫って保湿しましょう。おむつかぶれのときは、肌への刺激になるのでベビーパウダーは使用しないでください。ひどくなるようであれば、小児科または皮膚科を受診しましょう。
- 7.皮膚がカサカサしている
- こまめに保湿剤を塗りましょう。皮膚にのせるように塗っていきましょう。
- 8.おへそが出ている(でべそ)
- 1歳ごろまでには自然に治ります。硬貨やテープを貼っても効果はありません。
授乳・排泄について
- 1.よく吐く
- 良く飲める赤ちゃんは、必要以上に飲んでしまいます。良く飲んで元気なら様子をみましょう。また、吐いた後ケロッとしているときも、心配ないので様子を見て良いでしょう。
寝かせる時は、吐いたものが気管や耳に入らないように、横向きに寝かせましょう。
何度も吐くときや、ぐったりしているときは小児科を受診しましょう。 - 2.ゲップをしない
- ゲップが出ないことはよくあります。5~10分すると、腸のほうに移行しておならと出てきます。
- 3.あまりうんち(便)がでない
- うんち(便)は1日1回以上出るのが理想ですが、赤ちゃんのペースもあるので、毎日出なくても大丈夫です。お乳(ミルク)をしっかり飲んで元気なら問題ないでしょう。
- 4.苦しそうになる
- 沢山飲む赤ちゃんほど、よくうなったりします。
- 5.鼻づまり、ズルズルと苦しそう
- おっぱいが飲めていたら大丈夫かと思いますが、元気がないようであれば小児科を受診してください。
発達について
- 1.痙攣のような動きがある、体を反る
- 赤ちゃんは、まだ背筋が弱いので、この時期にはよくあることです。
- 2.一方向しか向かない
- 片方ばかり向いて寝ることはよくあることです。心配ありません。向きぐせも6ヶ月頃までには治りますが、心配であれば小児科を受診してください。
その他
- 1.外気浴はいつから?
- 外気浴は1ヶ月を過ぎてからにしましょう。
- 2.関節がぽきぽき鳴る
- 特に問題ないですので、そのまま様子をみましょう。
- 3.夜寝ない、夜泣きがひどい
- 赤ちゃんは睡眠覚醒リズムがまだできていないので、このリズムができる4~5ヶ月頃までは、気長に待ってあげましょう。
その間は、赤ちゃんに睡眠覚醒リズムをつけるために、夜と昼の区別をつけるような生活環境を整えてあげましょう。 - 4.抱きぐせってあるの?
- 抱きぐせというくせは、ありません。「抱きぐせ」という言葉は、「大人の都合に合わない」という理由で言われ始めた言葉ですので、赤ちゃん本位の言葉ではありません。
「抱っこは心の栄養」とも言われ、赤ちゃんがお母さんやお父さん、ご家族との信頼関係を育てていくためには実に重要なことです。どんどん抱っこしてあげてください。 - 5.血液型が知りたい
- 生まれたばかりの赤ちゃんは、腸内環境が無菌に近い状態なので検査に必要な抗体が検出できず、1歳までの赤ちゃんは血液型を調べても正しい測定ができません。
実際と違った血液型を親に知らせてもトラブルの原因になりますので、最近では検査を実施していません。正確な血液型の判定は、生後1年以上経過してから(できれば4歳以上)かかりつけの小児科で検査してもらうことをお勧めしています。
こんなときは小児科を受診しましょう
※当院においても、週1回小児科医による相談外来を行っております。ぜひご利用ください。
- 機嫌が悪く、元気がなく、お乳(またはミルク)の飲みが悪い
- 熱がある(衣服など調節をしても38℃以上がつづくとき)
- 呼吸が苦しそう(呼吸が浅くて、速い)
- 黄疸が強く、長引いているとき
- 何度も吐く
- うんちに異常があるとき(白いうんち、血が混じるなど)
- 目やにがひどい
- おへそが、いつまでもジクジクしているとき
など
ご自宅の近くに、何かあったらいつでも相談できる小児科のホームドクターをつくっておくと安心です。
当院では、退院された後もさまざまなサポートを行っております。もし何か気になることやご不安なことがあれば、お気軽に医師またはスタッフへご相談ください。
退院後のサポート
- 2週間健診
- 1ヶ月健診
- 育児相談外来(週1回・小児科が対応)
- ワクチン外来
- 各種教室(ベビーマッサージ、ベビーダンス、離乳食教室など)
など